人身事故の慰謝料相場｜減額されるケースはある？

人身事故が発生した場合には、物損事故と異なり、加害者に対してその交通事故によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償金を請求することができます。

今回は、人身事故が発生した場合の慰謝料について紹介していきます。

人身事故で請求できる慰謝料の種類は？

人身事故の被害者は、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の３種類を請求することができます。

入通院慰謝料とは、入院・通院が必要な怪我を負わされた場合の精神的苦痛に対する慰謝料をいいます。

後遺障害慰謝料とは、後遺症が残る傷害を負わされた場合の精神的苦痛に対する慰謝料をいいます。

最後に死亡慰謝料とは、被害者を失った遺族の精神的苦痛に対する慰謝料をいいます。

慰謝料の金額はどうやって決まる？

慰謝料は、一定の基準によってその金額が定められています。

ここでいう基準には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準という３つが存在します。

自賠責基準とは、自賠責保険に基づいた最低限度の補償基準をいいます。

任意保険基準とは、それぞれの任意保険会社が独自に設けている基準をいいます。

最後に弁護士基準とは、過去の裁判例を参考に、裁判所や弁護士が用いる基準をいいます。

慰謝料額は上記の順番で高額なものとなり、弁護士基準は主に弁護士が裁判上で主張することを前提に、弁護士間の交渉等で用いられる支払い基準であるため、人身事故が発生した場合にはできる限り弁護士に依頼をし、人間関係を形成しておくことが適切といえます。

具体的に慰謝料はどれくらい？

具体的な慰謝料額をご紹介いたします。

まず、入通院慰謝料については、自賠責基準の場合、通院１か月の場合８万６千円、２か月の場合１７万２千円、３か月の場合２５万円８千円となっています。

これに対し弁護士基準の場合は、１か月で２８万円、２か月で５２万円、３か月で７３万円とかなり高額になっています。

続いて後遺障害慰謝料については、生じた後遺障害の等級によってその金額が異なります。

具体的に障害等級３級の場合、自賠責基準では８６１万円ですが、弁護士基準では１９９０万円となっています。

障害等級２級の場合、自賠責基準では９９８万円、弁護士基準では２３７０万円です。

障害等級１級の場合、自賠責基準では１１５０万円、弁護士基準では２８００万円で、かなりの差が存在しています。

今回は人身事故の慰謝料の相場について解説していきました。

中田勝也法律事務所は、人身事故などの交通事件以外にも、刑事事件全般についてご相談を承っております。

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