撮影罪の構成要件｜逮捕されたらどうなる？

性的欲求を満たすために盗撮行為に及んでしまったが、あとから逮捕されるのではないかと不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、撮影罪の構成要件と併せて、逮捕されたらどうなるのかを解説します。

撮影罪とは

撮影罪とは、相手が同意していないのにもかかわらず、性的姿態等を撮影したり盗撮したりする罪をいいます。

性的姿態等とは、以下のような3つを指します。

• 性器、臀部や胸部などの性的な身体の部位
• 性的な身体の部位を覆っている下着
• わいせつな行為や性行為などをしている姿

撮影罪が制定された背景には、都道府県によって盗撮行為に対する規制内容が異なっていたり、罰則が緩かったりしたことなどがありました。

取り締まりの対象範囲もバラつきがあった点から、全国で一律の基準を設け、盗撮行為をより厳しく罰することを目的として、撮影罪が制定されたのです。

構成要件

撮影罪が成立する構成要件は、主に4つに分類されます。

1. 正当な理由がなく、ひそかに、性的姿態等を撮影（盗撮）する行為
2. 同意できない状態である被害者の性的姿態等を撮影する行為
3. 性的なものではない、特定の者しか見ないなどと被害者を誤信させて性的姿態等を撮影する行為
4. 16歳未満の子どもの性的姿態等を撮影する行為

※13歳以上15歳以下の子どもの性的姿態等を撮影した場合、5歳以上年齢が離れていると処罰の対象になります。

その子どもが生まれた日を基準とし、その日から5年以上前に生まれているかどうかで判断されます。

これは、「5歳差要件」とも呼ばれており、たとえば、交際している同級生同士が同意のもとに撮影したという場合を除外するために規定されているものです。

撮影罪で逮捕された場合の流れ

撮影罪で逮捕されると、警察署内の留置施設で最大48時間、検察に身柄が送られ最大で24時間拘束され、取り調べ内容をもとに勾留請求を行うかどうかが決まります。

裁判官により勾留が決定されると、原則として10日間、さらに勾留が延長された場合は、最大で20日間身柄を拘束されます。

証拠が不十分であったり、同じような前科がなく悪質性が低かったりする場合、不起訴になる可能性は高いです。

また、罪を認めて反省の態度を示すこと、被害者の処罰感情を抑えるための示談を成立させることも不起訴を獲得するために重要です。

起訴された場合は刑事裁判に進みますが、無罪判決を得ることは非常に難しいでしょう。

まとめ

本記事では、撮影罪の構成要件と併せて、逮捕されたらどうなるのかを解説しました。

まずは、自分自身の盗撮行為が撮影罪に該当するのかどうかを正確に判断するために、弁護士に相談することも検討してみてください。