詐欺罪の構成要件｜初犯の場合でも実刑になる？

オレオレ詐欺のような特殊詐欺で、高齢者が騙される手口が横行しています。

また、そのような犯罪だとは知らずに、巻き込まれるケースもよくあります。

例えば普通のアルバイトだと思っていたらオレオレ詐欺の受け子だったなど、知らず知らずのうちに詐欺罪に加担してしまう場合です。

この記事では、仮に詐欺罪に加担してしまったら初犯でも実刑になるのか、解説していきます。

詐欺罪の構成要件とは

構成要件とは犯罪が成立する要件のことで、刑法の条文にも記載されています。

詐欺罪の場合は以下の4つが構成案件となっています。

• 欺罔（ぎもう）
• 錯誤
• 財産移転
• 交付行為

以下でそれぞれについて説明していきます。

欺罔（ぎもう）

欺罔は詐欺の第一段階である人を騙す行為です。

たとえば結婚するつもりはないのに、借金を払ってくれたら結婚すると言って被害者を騙す行為のことです。

錯誤

錯誤は、被害者が加害者の嘘を信じ込む状態のことです。

たとえば加害者が仕事をしていないにもかかわらず、被害者に「〇日に給料が入るので、借りていたお金を返す。」と言って信じ込ませたとします。

被害者が加害者の言うことを被害者が信じて「お金を返してもらえる」と思っている状態が錯誤です。

交付行為

交付行為は欺罔によって被害者を錯誤状態にし、財産を差し出すように仕向ける行為のことです。

しかし被害者がオレオレ詐欺に騙されてお金を振り込もうとしていた時に、異変を察した人に止められた場合は交付行為になりません。

その場合は詐欺未遂に分類されます。

財産移転

交付行為によって被害者の財産が加害者に渡ることを、財産移転と言います。

加害者の口座に、被害者からお金が振り込まれる口座間のやりとりでも財産移転です。

初犯の場合でも詐欺罪は実刑？

詐欺罪は初犯の場合であっても、実刑になる可能性があります。

なぜならば、詐欺罪は法定刑に懲役刑の規定しかないからです。

悪質性や組織性などがない場合には執行猶予が付く場合もありますが、考慮する要素が初版のみで執行猶予付きの判決を得られるわけではありません。

初犯であっても悪質な犯罪に手を染めたり余罪があったりしたときには、実刑判決になるケースもあります。

まとめ

もしも、ご自身やご家族が詐欺罪に値するような罪に手を染めてしまったら、弁護士に相談して弁護を頼みましょう。

弁護士は被害者との示談、再度の犯罪を防止するための環境構築を行い、裁判で執行猶予付きの判決になれるよう尽力します。

弁護士法人中田勝也法律事務所でも詐欺罪の弁護を行っております。

お困りの際は、ご遠慮なく当事務所へご相談ください。